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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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前国会議員に提訴された一市民が勝訴①
2014年09月13日

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 ある日予期せず、損害賠償を求める裁判の被告とされてしまったら? しかも原告はその少し前まで国会議員だった人物なら…。そんな民事訴訟で先日、判決が言い渡され、被告の勝訴が確定した。「これは脅して私をだまらせようとしたスラップ裁判だ」と法廷闘争を戦った一市民が振り返った。

 

 訴えられたのはブログ「一市民が斬る!!」などを通じて言論活動を行っている都内在住の元会社役員・志岐武彦氏。昨年10月、元文部科学副大臣で現在は生活の党に所属する森ゆうこ氏から、志岐氏のブログ記事が名誉を毀損したとして損害賠償金500万円および当該記事の削除などを求める訴訟を東京地裁に起こされた。今年4月まで4回の口頭弁論が開かれて結審。7月18日、土田昭彦裁判長は原告の請求をすべて棄却する判決を言い渡した。8月5日に判決確定。森氏は昨年7月の参院選で落選するまで新潟県選出の参院議員を2期12年間務めていた。

 

 「元国会議員が、一市民のブログが名誉毀損であると訴えたのは珍しいことだと思う」と志岐氏の代理人・山下幸夫弁護士は判決直後の報告集会で裁判の異例さを語っている。

 

 提訴内容は、当時民主党衆院議員だった小沢一郎・生活の党代表が政治資金規正法違反の罪に問われた陸山会事件での検察審査会による起訴と公判(2011~12年、小沢氏無罪が確定)に関連して、森氏が当局追及のほこ先を変えたと批判し、その背景にも触れた志岐氏の13年7~8月のブログ記事3本が、森氏の社会的評価を低下させ、名誉を毀損したというもの。森氏、志岐氏はともに小沢氏起訴の不当性を訴え、それぞれ、「検察の罠」(日本文芸社)、「最高裁の罠」(山﨑行太郎氏と共著、ケイアンドケイプレス)の著書もある。両氏は一時は協力的な関係にあった。

 

 対象とされたブログ記事3本が投稿された間の13年8月、森氏は自身のブログで、同記事は「作り話」などと反論。さらに、「森氏が訴訟の準備をしている」「公の場で森氏が批判している」といった情報も間接的に志岐氏に伝わってきた。自身の主張を支える証言などがあり、記事撤回も謝罪もしなかった。しかし、風評は悪化したという。

 

 「森さんは私を変人扱いして、言っていることが嘘だというふうにしたかったのだと思う。だからこういう(志岐氏に反論する)ブログを書いた。私と森さんでは知名度が全然違う。だからインターネットの世界では、私は完全に“妄想老人”というふうになった」

 

 志岐氏によると、インターネット上で批判が相次ぎ、抗議の電話も受けた。「さんざん悪口を書かれたり、攻撃された」ことで、主張の内容ではなく、形勢的には「負けかな」と感じるほどだった。森氏のブログによる反論は世論に対して一定の“効果”があったようだ。そして「これで終わりかな」と思っていたところに、訴状が。経験などない裁判への対応に追われ、時間やお金を費やした。

 

 結局、裁判所は当該ブログ記事は名誉毀損にあたらないとの判断を示し、被告側からみれば完勝と言えるものだった。当初は強気とみられたという原告側は控訴せず。被告側は弁論が続いた場合、小沢氏の証人出廷を求める意思も固めていた一方、山下氏の報告集会での発言によると、原告側は4月の第4回口頭弁論で結審もやむなしの姿勢を示し、法廷闘争は実質9か月ほどで終わった。

 

  森氏は「財界にいがた」誌の取材(4月号掲載)に対し、「度重なる警告や抗議を無視して」志岐氏が非難の主張を続けたとして、一般市民がタレントを殺人事件の犯人視するデマをネット上に拡散させた事件に例えて「悪質」だと答えている。志岐氏は「デマを流した覚えはない。森氏から直接抗議や警告を受けたことは一度もない」と訴える。共通の知人から「謝った方がよい」との電話があったぐらいだという。志岐氏は「(森氏は)ブログやツイッターでの自らの発信も抗議・警告ととらえているようだ。しかし、これらは第三者に向けたものであるから抗議・警告ではない」と受け止めている。

 

 裁判は「訴えられ損」だと感じた志岐氏。大企業や知名度・社会的影響力のある著名人が、立場の弱い者を相手に恫喝的に行う訴訟を外国では「SLAPP(スラップ)訴訟」と呼ぶ。権力や裁判に対応する資金を持たないジャーナリストや小メディア、市民の批判的な言論や行動に対し、報復的に仕掛ける訴訟で、米国では禁止または抑制措置がとられている地域もあるという。山下氏は報告集会で、過去に政治家が同様の訴訟を行ってきたと指摘した上で、森氏の提訴も「その流れの一つとも言えると思う」との認識を示した。

 

 筆者は森氏の事務所に、判決への所感、控訴しなかった理由、スラップ訴訟であるとの批判に対する見解、記事による「社会的評価の低下」の具体的内容、など計7点の質問を書面で送ったが、1週間ほどの期限のうちに回答はなく、事務所側に返答の有無を確認したところ、「ノーコメント」対応となった。

 

 裁判では何が争われたのか、判決文から振り返る。(②に続く)



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