プロフィール
山口敏太郎(やまぐちびんたろう)
1966年7月20日徳島県生まれ。作家・オカルト研究家。神奈川大学卒業後、日本通運入社。96年に作家デビュー後、多様な分野にわたるエッセーや論文、小説コンテストにおいて11回の受賞歴を経てプロ作家に転身。独立し現在に至る。妖怪・UMA・UFO・都市伝説などの不思議分野において本格的な解説ができる作家としてテレビ・ラジオに多数出演。




2017年6月
« 5月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  



【211】蛇の王…毒を持つ悪魔の象徴「バジリスク」
2017年06月23日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

大プリニウスの「博物誌」に描かれたバジリスク

「バジリスク」——アニメのタイトルになっていたり、テレビゲームのモンスターとして登場するため、名前を知っている人は多いだろう。ヨーロッパでは古くから広く知られている幻獣の類いである。

 どのような生物かというと、冠のようなトサカを持ったヘビ(一説によるとヤマカガシに近い)で、バジリスクが移動する音を聞くと、それを聞いたヘビたちは逃げ出すのだ。バジリスクという言葉はギリシャ語で「小さな王」を意味し、ヘビの王と呼ばれるのも納得の力である。

 ヘビの髪を持ち、見る者を石にする怪物、あの有名なメデューサが殺された際に飛び散った血から生まれたとも言われ、バジリスクの持つ能力は猛毒なのだ。

 バジリスクの毒は普通のヘビのものとは危険度がケタ違いだ。バジリスクは全身に毒を持ち、歩いた跡の草木が枯れ、バジリスクが水を飲むと、その川の水すべてが毒になる。毒のニオイだけで他のヘビを殺す、毒の強さで石を砕く、見るだけで殺す、など危険なエピソードは枚挙にいとまがない。

 弱点はイタチに弱いとされている。イタチにはバジリスクの毒が効かないらしいのだが、そもそもイタチはヘビにとって天敵である。非常にヘビらしい一面も持っているのだ。ヘンルーダという薬草はバジリスクの毒を打ち消す力があり、イタチはこのヘンルーダを持っているという説もある。

 バジリスクについての最も古い記述は、大プリニウスが著した古代ローマの「博物誌」。自然科学について幅広く扱った本書は幻獣などの記述も多く、後の幻想文学にも大きな影響を与えた。

 容姿は前述の通りトサカを持つヘビで、コブラを見た人たちの間で話が膨らんでいったのではないかと想像させる。しかし、現在はかなり多様な姿で描写される幻獣になっている。トカゲであったりムカデであったり、「ハリー・ポッター」シリーズの影響で大蛇のイメージも強いかもしれない。

 そもそも中世ヨーロッパにおいては「コカトリス」と混同されたというか、同一視されていった経緯がある。コカトリスは雄鶏(おんどり)とヘビを合体させたような特徴の幻獣で、元は人の血を吸って時間をかけて殺すという性質を持っていた。その後、コカトリスをやりで刺すと毒がやりを伝って人を殺すなど、バジリスクらしい性質を持つようになっていった。

 バジリスクには「雄鶏の鳴き声に弱い」という話もあったのだが、これがいい加減に伝わり誤解を生んで、逆に同一視される原因になったのではないかとも言われている。

 現在、グリーンバシリスク、ノギハラバシリスクなど「バシリスク属」に属する実在の生物がいる。イグアナなどに近い爬虫類の一種で、トサカは持っているが、毒は持っていない。短距離であれば水上を走ることで有名である。

 麒麟という幻獣がキリンに当てはめられたり、獅子がライオンに当てはめられていったように、バジリスクも容姿の類似性から現実の生物に当てはめられて、この世に誕生したのである。

【関連動画】One Life – Jesus Christ lizard – Basiliscus plumifrons – French / Francais



東スポ動画
「ミス東スポ2017」グランプリ決定
注目コンテンツ
ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長の独自の映画賞!

日本マット界の隆盛、発展を祈念し、東スポが制定したプロレス大賞です。

開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載!