プロフィール
鈴木ひろ子(すずきひろこ)
明治大学卒業。福島中央テレビに入社しアナウンサーとして活躍後、KENSOと結婚。KENSOのWWE入団に伴い渡米。日本人女性初のWWEディーバとして世界をまわる。その後KENSOの移籍に伴い、メキシコへ移住するなど国際経験豊富。著書に「ゲイシャガール リングに上がる」がある。




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人間、ハエになるべからず
2013年05月31日

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 先日、NYから友人がバケーションを取って遊びに来てくれた。
彼女は在米二十年の日本人だが、女性で年収二千万近く稼ぐエグゼクティブだ。といっても企業家の類ではなく、一歩一歩こつこつと真面目に働いてここに至った努力家だから、この二十年の彼女の人生は血のにじむような努力だった。
KENSOと私も、そこそこジェットコースター人生を歩んできたという自負があるが、彼女のそれと比べれば、我々のジェットコースターなど花やしき程度だ。
彼女は十代でアメリカに渡り、有名大学をきちんと卒業した。そこで知り合った白人男性と結婚して、DVを受けた。言葉の暴力だけでなく、そのうち腕力で打ちのめされるようになると、頼る親戚も深い友人もいない中、スーパーのビニール袋に入れた私物一つで逃げ出した。駆け込んだのは、会社で比較的可愛がってくれていた上司の家で、夫から隠れながら生活をしていると、裁判所からビザの停止の通知が届いた。
『俺と離婚するならばアメリカにいられなくさせてやる』
という夫からの嫌がらせだった。
彼女は弁護士事務所に駆け込む。ビザを取り戻すために裁判をすると決めた彼女に対し、弁護士は、やめた方がいいと帰国を勧めた。
『離婚裁判は両者とも結婚という契約を全うできなかったわけで、互いにそもそも《負け戦》だ。一番傷を浅く終わらせる術はたった一つ、とにかく短く決着することだ。長引かせればそれだけ損をすると思った方がいい』
一銭も持っていなかった彼女が相手では弁護士も乗り気ではなかったに違いない。
彼女はそれでも裁判をした。彼女は比較的作りやすいデパートのクレジットカードを何枚も作り、その全てで満額キャッシングをして生活を回した。月末の支払時期になると、こっちのカードの支払いの為にあっちのカードでキャッシングをする、という一番やってはいけないやり方を繰り返しながらなんとか生活し、それでも足りない裁判費用はその上司から借りた。
その上司だけが頼りだった。本来なら、ビザが止められている以上働いても給料はもらえない状況でも、上司は彼女を働かせてくれて、ビザがない以上給料は出せないが、それをすべて貯めておいてくれた。

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