プロフィール
オフィス北野・プチ鹿島(ぷちかしま)
1970年5月23日生まれ。血液型O。時事ネタを得意とする。東スポ歴は中学から30年。TBSラジオ「東京ポッド許可局」、同局「荒川強啓デイ・キャッチ!」(月・水)、YBSラジオ「プチ鹿島の火曜キックス」、NHKラジオ第1「午後のまりやーじゅ」に出演中。著書には「教養としてのプロレス」(双葉新書)。




2017年4月
« 3月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930



少年よ、野球を嫌いにならないでほしい
2017年03月09日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

WBCはうさん臭い。その言い方がアレなら、ずさんだから興味深い。

それもそのはず、WBCはメジャーリーグ機構とその選手会が運営会社をたちあげて開催している「興行」である。世界大会の公正さやグローバルさを求めるより、ずさんさから生まれるかもしれないダイナミズムに注視したほうがいいと私は思っている。

 
実際、2006年の第1回大会は誤審や、同じ相手と何度も戦うシステムに「え?」と思わされたが、そのデタラメっぷりが逆に興行としては大爆発した。キチンとした公正さより目前のドラマ性に日本の観客や視聴者はすっかり燃え上がってしまったのである。それ以来WBCの魔力に目が離せなくなった。

 
第4回大会の日本の初戦(キューバ戦)も、ハプニングがさっそく起きた。山田哲人がホームランを打ったと思ったら、観客がフェンス際で捕球してしまったのである。記録は二塁打に変更。

 
まったく何やってんだよ、捕った奴の顔が見てーよと思いながら次のプレーを眺めていた。

 
しかし本当に「捕った奴の顔」がすぐに晒されるのが今なのである。

 
《ボールをキャッチした少年は、笑顔でボールを持つ写真をツイッターに投稿。ただその後、批判の声が相次いだこともあり、消去。少年が警備員に事情を聴かれている姿を、別の観客がツイッターに投稿しているものもあった。》(サンスポ・8日)

 
あの打球を捕ったのは少年だった。グローブを持参してワクワクしていたら、ほんとに飛んできて思わず手を出してしまったのだろう。これは少年のミスだ。でも、キャッチしたときは嬉しかっただろうなぁ。

 
そのあと少年は炎上した。叩かれまくった。昔「非国民」と言われて責められた人はこんな感じだったのかもしれない。

 
ひとつのミスでここまで追い込まれてしまう現状。

 
ここで少年を叩いた側を非難するのは簡単だし偽善だ。私も「捕った奴の顔が見てーよ」とイラッとしたからだ。少年リンチのきっかけとなった最初の負の感情は自分も共有していたことを忘れちゃならない。そのあと「しょうがねーな(苦笑)」と適当な大人力で済ませられるか、感情にまかせて気持ちよく叩いてしまうか。今回学んだとしたら、その大きな分かれ目だ。

 
少年はリアルタイムでバッシングが続く中、《上着を頭からかぶって涙目で観戦。》(スポニチ8日)していたという。
 

ベーブ・ルースと少年の約束のホームランがあるなら、日本代表のスターたちよ、今日だけは絶対に勝ってくれ。少年を全力で救ってくれ。そう思いながら私は試合を観た。

 
日本はキューバに勝利。ホッとした。少年は今回のことで野球を嫌いにならないでほしい。またグローブを持って野球場に来てほしい。きっとだぞ。

 
それにしても、WBCにはやっぱり何かがある。



東スポ動画
「ミス東スポ2017」グランプリ決定
注目コンテンツ
ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長の独自の映画賞!

日本マット界の隆盛、発展を祈念し、東スポが制定したプロレス大賞です。

開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載!