イキのいい職人だけに争奪戦となるか。オリックスとのCSファイナルSに敗退し、昨季に続き日本シリーズ進出を逃したロッテ。今後は来季に向けて新たなチーム作りに着手していくが、その中で最もチームが懸念しているのがブランドン・レアード内野手(34)の去就だ。

 2年契約の最終年だった「幕張のスシボーイ」は今季136試合で打率2割6分2厘、29本塁打、95打点をマーク。楽天・島内に1打点差で打点王のタイトルこそ逃したものの、チームの2年連続リーグ2位に大きく貢献した。そんな頼れる外国人選手だけにチームとしては残留してもらいたいのだが、勝負強さが光る優良助っ人は他球団もノドから手が出るほどほしい人材。ロッテとの交渉次第では、今後複数球団で争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。

 CSファイナル敗退後、レアードはロッテについて「(チームの)雰囲気もいいし、チームメートや首脳陣も良くしてくれる。僕にとって居心地はいい」と明言。残留に前向きな姿勢を見せた一方、自身の去就については「しっかりと代理人と話してこれから進む道を決めていければいい」と他球団移籍についても含みを残した。

 現在レアードの年俸は推定で2億4000万円程。来年35歳という年齢を考慮しても、今季の活躍を考えれば1年契約で3億円近い金額が必要とみられる。ロッテがその金額に合意できなければ潤沢な資金を持つ複数球団が獲得に動く。

「ロッテ愛」が人一倍強いレアードとはいえ、自身の現役生活も長くはない。すしをこよなく愛する職人は、来季どのチームのユニホームを着てプレーするのだろうか。