阪神が17日の広島戦(甲子園)に2―4で敗れ、首位・ヤクルトとのゲーム差は3と開き、優勝マジックは4にまで減らされた。矢野監督をはじめナインたちも、奇跡の逆転優勝を信じ、残り7試合を全力で戦い抜く姿勢を崩してはいないが、現実問題として来月6日から始まるCSでの戦いを視野に入れなければならない時期に入ってきたのも事実だ。

 すでに阪神はシーズン2位以上を確定させているが、3位のチームがまだ未確定。CSファイナルステージ、ファーストステージで戦う相手について、チーム内では「巨人よりも、4位につけている広島と対戦することの方が怖い」という声がチラホラ出始めている。

 チーム関係者は「ここまで10連敗と、チーム状態が落ちている巨人よりも、秋以降調子を上げてきた広島の方が不気味な存在。大瀬良や床田など阪神戦の対戦成績がいい投手も揃っているし、小園のようにイキのいい若手も増えている」。51試合に登板し防御率0・72、35セーブをマークしている若き守護神・栗林や、この日2本のアーチをマークし首位打者と本塁打王の2冠を射程に入れた鯉の主砲・鈴木も当然ながら大きな脅威だ。

 思い起こされるのは、2013年のCSファーストステージ・広島戦。この年2位でシーズンを終えた阪神は、CS初出場となる広島を本拠地甲子園に迎えたが、結果は0勝2敗の〝スイープ負け〟。「チームの若返りが進みつつある今の広島は、8年前のあのころと重なるところが多い。甲子園の左翼席が、大挙したカープファンによって真っ赤に染まった光景も忘れることができない」(球団関係者)という。

 この日の勝利で巨人に2・5差まで肉薄した赤ヘル軍団。阪神がセ5球団のうち今季唯一負け越している(10勝12敗)のも広島だ。ファーストで戦うにしろ、ファイナルで激突するにしろ、気になる存在となってきたようだ。