奇跡が見えてきた。広島が17日、阪神戦(甲子園)に4―2と快勝し、3連勝。この日試合がなかった3位・巨人とのゲーム差は「2・5」にまで肉薄し、逆転CS進出がいよいよ現実味を帯びてきた。

 まず若鯉コンビがそろって快音を響かせ、風穴をこじ開けた。3回一死、8番に入ったプロ3年目の林が相手先発・秋山から高めに浮いた3球目を振り抜き、左翼席へ豪快な9号先制ソロを叩き込んだ。二死後、2年目のリードオフマン・宇草も真ん中高めの3球目を強振し、右翼席へ2試合連続となる4号ソロ。幸先よく2点を先制し、敵地を静まり返らせた。

 そして、この試合のハイライトは、何と言っても鯉の主砲の爆発だ。4回一死、4番・鈴木誠がフルカウントから7球目をとらえ、14日・DeNA戦(マツダ)、16日・巨人戦(東京ドーム)に続く3戦連発となる37号ソロを左中間スタンドへ。ここまで今季は広島戦8試合登板で5勝2敗、防御率1・64と〝鯉キラー〟を襲名され、悪戦苦闘を強いられていた秋山からチーム3本目の本塁打でリードを広げた。自らの一発については「打ったのはカーブ。玉村が頑張っているので追加につながって良かったです」と振り返った。

 それだけでは終わらない。ロハスの2ランで1点差に詰め寄られた直後の7回二死、4番手・アルカンタラに追い込まれながらも外角高め154キロの直球を再び左中間スタンドにまで運んだ。度肝を抜くような今季38号ソロ。9月30日の阪神戦(甲子園)以来、実に今季7度目の1試合2本塁打となった。リーグ本塁打トップに並ぶヤクルト・村上、巨人・岡本和と1本差にまで接近し、首位打者との打撃二冠も射程圏内となってきた。

 打撃陣の援護射撃を受けた2年目左腕・玉村も6回1/3を2失点と粘投し今季4勝目。投打がかみ合ったカープはミラクルロードのゴールに向け、さらに勢いを加速していきそうだ。