中日・根尾昂内野手(21)の尻に火がついてきたようだ。今季は3年目にして初めて開幕一軍入りを果たしたが、67試合で打率1割6分9厘と低迷し、後半戦は二軍スタート。ところが、3日現在、二軍戦でも打率1割3分ともがき苦しんでいる。

 3日に溝脇が体幹のコンディション不良で抹消され、代わりにドラフト3位・土田龍空内野手(18)がプロ初の一軍昇格を果たした。

 現在、チーム内では阿部、三ツ俣、石川昂ら内野手の故障が続出。そのため二軍では根尾、土田、石垣、石岡に加え、急きょ捕手の石橋に三塁を守らせるなど急場をしのいでいる。そんな中で新たに溝脇が故障してしまい、根尾、石垣、土田の候補3人の中で今回選ばれたのが土田だった。

 高卒ルーキーの土田は近江高時代は1年夏からレギュラーで甲子園にも出場しており、ウエスタン・リーグではチーム最多の82試合に出場。遊撃が定位置だけに、チーム関係者は「根尾にとってはショックなはず。今季は京田からの遊撃レギュラー奪取を目標に掲げてきたが達成できていない。そのうえ、今、二軍では遊撃や二塁を守っているが、今回、声がかかったのは高卒1年目で2歳年下の土田の方だったからね。根尾にこの悔しさを発奮材料にしてほしい狙いも首脳陣にはあるのでは」とみている。

 土田に期待するところに対して与田監督は「とにかく若さあふれるプレーで、守備も打撃も思い切りも良いということで一軍に呼びました」と説明したが、根尾は新たに出現した年下のライバルとの競争にも勝っていくしかない。