阪神は3日の巨人戦(甲子園)に7―3で快勝。最大3点のビハインドを、ゲーム終盤の集中打で逆転する会心のゲーム展開で、首位攻防3連戦の初戦をもぎ取った。

 最大のヒーローは3―3と同点に追いついた7回二死満塁から、決勝の走者一掃3点三塁打をマークした中野拓夢内野手(25)だ。この日はプロ入り初の1番打者起用となったが、勝負所で値千金の一打を放ちベンチからの期待に見事に応えた。

 カウント3―2まで追い込まれての7球目。見送ればボールと判定されそうな高めへの変化球を勇気を持って振りぬいた。聖地・甲子園の夜空に高々と舞い上がった白球は相手右翼手の頭を超え外野フェンスに直撃する会心の長打コースへ。一気に三塁まで到達した背番号51は、満面の笑みとともに自軍ベンチへ向け高々と拳を突き上げた。

「四球狙いという気持ちになると、打席の中で弱気になってしまうと思った。多少のボール球が来ても振っていこうという気持ちでした。思い切って踏み込んで打てたことが良かった。周囲から『首位争い』と言われてますが自分たちのやることは変わらない。きょうのヒットをきっかけに、もっと状態を上げていきたい」。ルーキーらしからぬ落ち着いた語り口は熱戦の直後とあっても変わらない。

「これからも厳しい戦いは続くと思う。何とかこのカードを3連勝できるようにあす以降も頑張りたい」と表情を引き締め、視線を次戦へ向けた。