首位を独走する阪神タイガースの親会社・阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が16日、大阪市内で行われた。昨年に続いて新型コロナウイルスの感染拡大防止から座席数を大幅に制限。昨年は295人で、今年は274人の株主が参加した。

 これまで熱狂的な虎党株主がチームを憂いて手厳しい質問を飛ばすのが〝恒例行事〟。しかし、矢野燿大監督(52)率いる3年目の今季は宿敵・巨人に7ゲーム差を付けての首位快走中とあってタイガース関連の質問は一切なし。この日は14人の株主が質問に立ったが、コロナ関連が主でそのまま終わったのだ。

 総会で阪神タイガース関連の質問がないのは超異例。主催関係者も「あまり記憶がないです…」と目を白黒させたほどだった。

 変われば変わるものだ。昨年の総会は3、4月のシーズン開幕が「コロナ禍」で延期している中、開催された。いわば〝0勝0敗〟で迎えての実施となったが、それでもある男性株主が開幕前に藤浪晋太郎投手(27)ら3選手が新型コロナに感染したことに「周りがチヤホヤし過ぎるからだ!」と指摘。対応した球団の百北常務取締役が「ご心配、ご迷惑をかけ申し訳ありませんでした」と陳謝する一幕があった。

〝コロナ以前〟も振り返ると、金本知憲前監督が解任されたシーズンの2018年総会では質問した株主17人中、7人が「いつになったら優勝できるんだ」「外国人選手がずっとダメやないか」など阪神球団や電鉄本社への不満が爆発。

 一方で野球に興味のない株主から「いい加減、阪神の質問はやめてもらいたい!」と前代未聞の〝内輪もめ〟に発展するなど大荒れとなったことも…。

 チームがVにばく進中なら株主も不問ということか。油断は禁物だが、矢野監督も相当枕を高くして眠れそう?だ。