阪神が4日のソフトバンク戦(甲子園)に6―1で完勝。先発の青柳晃洋投手(27)が8回6安打1失点の快投を披露し4勝目をマークした。ここまで本拠地・甲子園での登板予定ゲーム全3試合を雨で流してきた球界屈指の雨男にとって、この日が待望の今季甲子園初登板。そんな青柳には「日本雨女雨男協会」からも熱烈な〝入会オファー〟が届けられている。地球規模で進行する水不足の危機を「雨柳パワー」で救うことはできるのか――。


 この日の球場周辺も、前夜からの長雨が続き試合が開催できるかどうかは微妙な状況だった。だが、ありがたいことに甲子園には屋根はなくとも「阪神園芸」がいた。試合開始直前に雨がやむや、日本一のグラウンドキーパーたちは〝神整備〟でグラウンドの化粧直しに着手。無事に午後6時のプレーボールに間に合わせた。

 今季初となる甲子園のマウンドで、青柳はまさに〝水を得た魚〟のような快投。最強軍団・ホークス打線を変幻自在の投球術で手玉に取り、5月14日の巨人戦(東京ドーム)以来となる白星をゲット。「今日も投げられるかどうか不安だったんですが、やっと甲子園のマウンドで投げることができてよかったです」とお立ち台で白い歯を見せた。

 これで防御率はセ投手5位の2・31。球界屈指の雨男として「雨柳さん」のニックネームもすっかり定着しつつある。そんな〝逸材〟に熱視線を送っているのが300人を超える会員数を擁する「日本雨女雨男協会」だ。

 持ち前の「レイニーパワー」を生かし、渇水などに悩む全国各地へ足を運び雨乞いの儀式に参加するなどの活動を行っている同協会は、かねて虎の背番号50に注目。広報担当の廻田彩夏氏(33)も「ぜひ、青柳さんも当協会にご加入いただければ! 名誉会員待遇でお迎えする準備はできています。地球規模で進行する水不足の危機を一緒に解決しましょう!」と真剣にラブコールを送る。

 同協会の関西支部長を務める川野大輔・大阪産業大学教授(45)も年季の入った熱烈な阪神ファン。「今季最大の見どころは、もう一人の球界を代表する雨男、楽天・田中将大投手(32)と青柳選手の対決があるかという点です」と力を込めて語る。阪神は11日から敵地仙台で楽天と3連戦。現状のローテ回りから見るに両者のマッチアップ実現は十分にあり得るだけに期待も膨らむ。

 とはいえ東西の雨男が同日に先発登板するとなれば、かなりの確率で雨天中止というオチになってしまうような気が…。残念なことに、楽天生命パークにも屋根はない。