阪神は2日のオリックス戦に2―1で辛勝。この日一軍に昇格されたばかりの北條が2打席連続適時打で2打点。岩貞―馬場―岩崎―スアレスら4投手の継投策も奏功し、貯金を16とした。先発のマウンドを託された秋山拓巳投手(30)が5勝目をマーク。開幕以来、安定感のあるマウンド捌きはこの日も健在で、2年連続の2桁勝利も現実味を帯びてきた。実はこの右腕、近年は虎の“セクシー番長”として在阪テレビ局各局から熱いまなざしを浴びている。

 得点圏に再三走者を背負ったが、要所を締める粘りの投球で6回途中を1失点。開幕以来無傷の5勝を挙げている相手先発・宮城との投げ合いを制し、セ2位タイとなる5勝目をマークした右腕はお立ち台で「先制点だけは与えないように粘り倒してやろうと思いました。イニングは消化できませんでしたが頑張りました」と笑顔。「調子は全然良くなかったので勝負を急がないようにしました。中継ぎ陣も苦しい状況が続くので、1イニングでも多く投げようという気持ちでした。何とか自分がカバーしたいなと思っていました」。

 矢野監督も「走者を出しても粘るってのは簡単なことではない。ベンチでも『粘るぞー!』と言いながら投げてくれていたしね。価値のある投球だった」と右腕を称賛。一進一退の戦いが続く交流戦で、大きな1勝をもぎ取ってくれた背番号46の勇姿に目を細めた。

 そんな秋山は現在、投球のたびに思わず出してしまう「アエギ声」が虎党の間で話題になっている。一球一球に全力を込め「アーッ!」「フーン!」「アーン!」と声を上げながら投げるスタイルは、秋山の男性的な風貌や身長188センチ、体重102キロの堂々たる体躯も相まって、主に女性ファンから「セクシー♡」との声が殺到。コロナ禍で入場観客数が大きく制限されている中、静かなグラウンド上に響きわたる秋山の「アエギ声」は、今や隠れた甲子園の名物にもなっている。

 在阪テレビ局関係者も虎のセクシー番長に注目。「コロナ禍で球場全体が殺風景な雰囲気に包まれる中、秋山選手のような存在は貴重です。スポーツニュースなどでも秋山選手の“アエギ声”が多めに入れられるよう編集にも工夫を入れているところです」と明かす。

 高卒で2009年のドラフト会議で4位指名されて以来、タテジマ歴も早や12年。ついにめぐってきた本格的なVイヤーをセクシー右腕が全力で支える。