西武は2017年12月から「40周年記念事業」として進めてきたメットライフドームエリアの改修工事が8日、完成を迎え竣工式を行った。

 式に出席した後藤高志オーナー(72)は「計画が2017年にスタートし、すでに3年。昨年からのコロナ禍の中で遅延や事故もなくこの日を迎えられた。改修工事の目的は①ボールパーク化と②育成の強化。①については様々なエンターテイメント性の高いものを具備し、あらゆる世代の方に試合、コンサートなどのイベントをエンジョイしていただきたい。②についてはトレーニングセンター、若獅子寮、カーミニーク・フィールドの整備等、若手選手の育成強化で存分に力を発揮していただきたい」と説明。

 その中で迎える26日の開幕オリックス戦に向け「辻監督の元で2年ぶりのリーグ制覇、2008年以来の日本一を。コロナ禍の中で行動変容、価値変容が起こり多くの人がストレスを抱えている。プロ野球が開幕して国民の希望、元気、勇気、笑いをお届けして元気付けられる大きなパワーとなっていきたい」と語った。

 辻発彦監督(62)は「私が監督就任を迎えた年にこの話が発表されて今日、竣工式を迎えられた。その間、室内練習場、若獅子寮、カーミニーク・フィールドの二軍施設が整い球場の周りも子供たちが喜ぶアトラクションを整備してもらった」としながらこう続けた。

「私が小さいころ、佐賀に住んでいる時に隣の福岡県、平和台球場に西鉄ライオンズの試合を父親と見に行くたびに午前中は近くの大濠公園で遊び、夜はナイターと。そういう環境の中で育ち野球が好きになって、野球選手になるという夢を持っていった。今、ライオンズのユニホームを着て野球ができる喜びを感じております」

 そして辻監督は「いろいろなものが増え、夢の詰まったメットライフドームの中で唯一足りないもの。球団旗の横にチャンピオンフラッグがない。この唯一失われたものを2021年シーズンで奪還して日本一という大きな目標に向けて戦っていきたい」とV奪還への思いを新たにしていた。