〝昇格人事〟の是非はこれからか。巨人が16日のDeNA戦に1―2で敗れた。2位・中日が勝ったため、優勝へのマジックは「8」と変わらず。好機をことごとく逸した内容に、原辰徳監督(62)も「今日は両軍、そういう(あと一本な)感じのね。こっちももう一本というところでしたね」と淡々と振り返った。

 打線はお寒い内容だったが、投手では10月2日以来の先発となった左腕・今村が4四球を出しながらも、6回無失点と粘りの投球。指揮官は「反省するところもあるけどね」と手綱を締めたが、宮本投手チーフコーチは「まだ優勝は決まってないですけど」と前置きしつつも「シリーズに向けて非常にいい追い風になってくれる。間違いなくこれで戦力がもう一枚加わったなっていうところ」と収穫ありとした。

 一方でまだ見極めが必要なのが、今季初黒星を喫した剛腕・ビエイラだ。原監督が「売り出すよ」と明言して以降、セットアッパーの一翼に〝昇格〟。しかし、この日は1―1と同点にされた8回、二死二塁のピンチを招くと8番・大和に甘く入った156キロの直球を右翼線に運ばれ、決勝点を許した。

 宮本コーチは「もう少し変化球に自信を持ってもらいたいし、まだ真っすぐに頼る部分がある」としながらも今後の成長に期待を込めたが、一方で抜擢を決断した原監督は「非常に『昇格人事』の中で彼もやっているのでね、そこを超えてくれないとね。そこまで上がってきているわけだからね」と、まだ信頼までは勝ち得ていないことをうかがわせた。

 優勝へ一歩ずつ近づく中でも、日本シリーズのメンバー選定もしなければいけない時期でもある。日本で163キロをたたき出した剛腕が、栄えあるメンバーに入れるか。今後の〝人事異動〟にも注目が集まりそうだ。