阪神は23日のDeNA戦(甲子園)に0―4で敗戦した。上茶谷の前に打線が沈黙し、今季初完封を献上。矢野燿大監督(51)は「(次戦以降に向けて)一戦必勝でずっとやっていますし、いい感じでまた戻ってこられるように戦っていきます」と前を向いた。

 今季9度目の零封負けを喫した阪神打線の〝泣きどころ〟の一つが2番だ。開幕当初は糸原健斗内野手(27)が務めることが多かったが、7月23日に右手有鉤骨の骨折で登録抹消。捕手・梅野(現在は右腹斜筋の筋挫傷で二軍調整)を起用するなど、ケガや相手との兼ね合い、単にはまらなかっただけなどの理由で、開幕からここまで10人がスタメンに名を連ねるなど固定できていない。

 この状況の打開策を、かつて球界を代表する2番打者としてロッテ、阪神で活躍し、1985年の阪神日本一にも貢献した弘田澄男氏(71)が緊急提言だ。引退後は阪神、大洋(横浜=現DeNA)、巨人などで打撃コーチなども務めた弘田氏は「一つの手として『養成』がある。当然、チームに合う2番は一朝一夕にはできないので若手やファームから素質のある選手を見つけてどんどん試合で使う。そして7―0とか大量リードでフリーで打ってもいい場面でも、あえて右打ちのサインを出したり。ファンやマスコミに『この状況で何してるんだ』と言われても、先を見据えて育てるんだから気にしなくていいんですよ」と今季のみならず、来季以降を見据え、2番を若手の〝育成枠〟にするプランを示した。

 その候補には、糸原が離脱中に9試合スタメンで二塁に就くなど頭角を現した2年目の小幡竜平内野手(20)、ファームでは3年目の熊谷敬宥内野手(24)らが挙がるが、22日のウエスタン・広島戦(由宇)で公式戦第1号を放ったドラフト4位ルーキー・遠藤成内野手(19)も面白い存在だ。

 いずれにせよ、より強固な猛虎打線をつくるためには2番育成は早い方がいい。