王者が動いた。ソフトバンクは20日のロッテ戦(ZOZOマリン)に延長10回の末、4―5の逆転サヨナラ負け。10回に栗原の2点打で勝ち越したが、その裏、二死から泉が同点2ランを被弾すると、最後は椎野の暴投の間に二塁走者の生還を許した。昨季ZOZOマリンでは2勝10敗と大きく負け越し、1年以上勝てていない「鬼門」で今季も2敗1分けと負の連鎖が続く。この日の敗戦でロッテに同率首位に並ばれ、21日の結果次第では0・5差で迫る3位楽天にも取って代わられる状況に陥った。流れを断ち切るどころか、嫌な負け方で暗転の様相だ。

 そんな中、チームが戦力の刷新を断行することが分かった。21日から二軍調整中だったアルフレド・デスパイネ外野手(34)の昇格を決定。新型コロナによる影響で再来日が遅れたキューバの大砲は、14日から二軍戦に出場。20日のウエスタン・リーグ阪神戦では、2安打をマークして3試合連続で快音を響かせていた。また同カードでは2試合で左翼守備にもついた。チーム打率はリーグワーストの2割4分。乗り切れないチームの起爆剤として実力者が戻ってくる。

 一方、開幕から打撃不振に苦しんだウラディミール・バレンティン外野手(36)が二軍に降格する。通算297本塁打の大砲も、ここまで規定打席到達者ではリーグワーストの打率1割9分6厘と低迷。20日のロッテ戦ではスタメンを外れ、接戦の展開でも出場機会がなかった。

 20日には、今宮健太内野手(29)が左ふくらはぎを痛めて出場選手登録を抹消された。内野の要が長期離脱する可能性も出てくるなど、チームを取り巻く状況は良くない。シーズンの折り返し地点が近づく中、暗雲を振り払うべく手を打つ。