阪神が巨人に開幕3連敗を喫した。主砲のジャスティン・ボーア内野手(32)は好機で凡打を繰り返すなど、3試合で12打数無安打とさっぱり。1、2戦目は4番を打っていたが、3戦目は6番に降格した。

 本紙評論家の伊勢孝夫氏はボーアについて「これは時間がかかるやろうね。開幕戦の4打席目(三ゴロ併殺)のときのように、外角の球を逆方向に打つ意識を強く持たないと、いつまでたっても左投手は打てない。ほかの球団も巨人のように、みんな外中心の攻め方をしてくるやろう。早く手を打たないと、チームとして取り返しがつかないほど出遅れることにもなりかねん」と、その存在が重い足かせとなる懸念を指摘した。

 さらに伊勢氏は「だからこそ矢野監督も6番に下げたんだろう。今のボーアならチャンスになればなるほど、相手に攻め方を徹底される。まあ、打てないやろうね。そこで6、7番の打者なら代打を送りやすくなる。ただ、たった2試合で4番を外すというのは…。せめて対戦が5球団ひと回りするまでは辛抱して使ってみたいが、阪神というのは特別な球団で、ちょっと結果が出ないと周囲が大騒ぎする。見切りが早くなってしまうのは仕方がないのかもしれん」と阪神ならではの特殊事情にも言及した。

 今後については「当の本人は『こんなはずでは…』と思っていることやろうが『これが現実なんや』ということを分からせないといかん。タフィ(ローズ)やバレンティンもみんな同じ。日本の野球をどこかでなめとんのや。それには打撃コーチの井上が『日本でカネ儲けするにはそれじゃいかんぞ』ということをしっかり納得させて、課題を克服させること。ボーアの場合はとにかく外角球をショートの頭へ。この意識を徹底させるべきや。対戦ひと回りするまでに手を打たんと、本当に手遅れになる」と警告した。