タテジマ御一行様は当面お断りです。阪神・藤浪晋太郎投手(25)ら3選手が新型コロナウイルスに感染したことで、大阪きってのネオン街・北新地からも“虎アレルギー”が強まっている。平時は上得意であるはずの阪神ナインだが「万が一にも感染させられたら一大事」とばかりに来店を拒否する声が続々と上がっているのだ。コロナ不況の直撃に苦しむ夜の街の本音とは――。

 藤浪、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の3選手が27日までにPCR検査で陽性と診断されたことを受け、阪神は全選手、監督・コーチ陣および球団職員に4月1日までの活動休止と自宅待機を指示。だが、藤浪らと14日に会食した別の4選手らの“安否”も含め不安要素が多く、同球団は30日の緊急役員会議で活動休止期間の延長を決定した。休止期間は最短でも8日までになるとみられ、チーム再始動のメドは全く立っていない。

 NPBも4月24日の開幕を目指す方向で一度は一致したが、今回の一件でこれも極めて厳しくなった。日本のみならず全世界的にプロスポーツ、コンサート、演劇などの興行が活動自粛に追い込まれるなど“コロナ不況”が地球規模で暗い影を落としている。ネオン街も例外ではない。

 大阪きっての繁華街・北新地の料飲協会の担当者は「全体的に見て、売り上げの前年同月比は50%以下。店によっては休日を増やしたり、出勤する女の子のシフトを間引くなどしていますが、極めて厳しい状況です」と語る。

 平時ともあれば懐の温かい阪神ナインは店舗側から見ればお得意様。だが、今は文字通りの非常時だ。北新地の高級クラブでホステスとして働く女性は「私たちは職業柄、マスクを着用してお客様と接するわけにはいかない。至近距離でお酒を一緒にしますし、店によってはカラオケもある。濃厚接触が前提のお仕事なんです。正直、今は阪神の関係者には誰にも来てほしくない。(藤浪ら陽性が判明した3選手以外も)感染している可能性が高いわけですから」と声を潜めて語る。阪神は現在、全スタッフに外出・外食の禁止を通達しているが、仮にこれが解除されても「当面は来店は控えてほしい。そうですね、少なくとも夏までは」と言う。

“黒服組”の男性スタッフも「我々がもっとも恐れているのは店から感染者を出してしまうこと。あるいはそのような噂が立ってしまうこと。そういう意味では申し訳ないですが、感染の可能性が比較的高い阪神の関係者の方々は来店を控えてほしい」と悲痛な表情で話す。

 虎ナインと夜の蝶たちが平和な日常を取り戻せるのはいつになるのか。先はまだ何も見えない。