西武・松坂大輔投手(39)が27日、12球団が同時に活動を停止する必要性を訴えた。

 全体練習が休みだったこの日、松坂ら投手陣だけが本拠地・メットライフドームを使用し投手練習が行われた。セット、ノーワインドアップ、ワインドアップと試行錯誤を繰り返しながら33球のブルペン調整を行った松坂は「珍しいことではない。いくつかのやり方を持っているということ」とこの日の取り組みの意図を語った。

 次回登板が予定されている29日、ロッテ二軍戦(浦和からメットライフに変更)については「まだ分からない。寒いみたいだし、雪が降るかもしれないんで」と登板回避、そのまま室内ブルペンでの調整の可能性を示唆した。

 その一方で、この日、新型コロナウイルスへの感染の疑いがあった阪神・藤浪晋太郎投手(25)を含む3選手が、PCR検査を受け「陽性」であることが判明。阪神は甲子園球場、鳴尾浜らの施設の消毒作業を進める一方で、球団事務所、クラブハウスを閉鎖し選手、コーチ、スタッフ、球団職員に対し1週間の自宅待機を指示し事実上の活動停止に踏み切った。

 この球界の有事を受けて松坂も敏感に反応。「ゲームをやらせてもらえるのはありがたいことなんですけど、どうなんですかね? やっているところとやっていないところがありますからね。(今の状態を)落とすわけにはいかないですけど、やるならみんな同じ条件でやるべきだと思います」と現時点で12球団の対応がまちまち。阪神1球団のみの活動停止に疑問を投げかけた。

 松坂は「やっぱり阪神がああいう状況になって阪神は試合ができないわけじゃないですか。やっぱりそこは(感染者が)出たからそこのチームだけとかじゃなく、12球団が足並みを揃えてやるべきなんじゃないかと思いますけど…。僕はゲームができてラッキーとかは思わない。(練習、練習試合が)できなくなったらなったでそれなりのやり方を考えます。やるに当たってみんな同じ条件でやるのがフェアなんじゃないですかね」

 MLBはこの新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け今月中旬にキャンプ、オープン戦を一斉に打ち切り。現時点で開幕の見通しは早くても6月と見られている。その根底には有事の今は組織や仕事よりも個人、家族の命を守ることが最優先という米国の価値観がある。

 しかし、この有事はもはや全世界的なもの。松坂のこの私見がなくても12球団、NPBは阪神の活動停止を受けて大きな決断の時を迎えている。