“師匠”は意外なところにいた――。2年連続未勝利の日本ハムの斎藤佑樹投手(31)が26日、東京都内のトレーニングジム「トータル・ワークアウト」で行っている練習を公開し、身長や腕の長さを考慮して、早大1年時の投球フォームを目指すことを宣言した。

「背丈が一緒で、腕の長さが近い人は誰だろうと探している中で、それは自分自身でした。全部をあのころに戻そうというわけではないですが、いい参考材料になります」。確かにそうだ。目指す球速について「今季の球速は142、3キロ。1キロでも速く投げたい」とは言うものの、今から剛球投手になろうというわけではない。最も輝いていたころに理想を求めるのは自然な流れだ。

 このオフには、プロ野球とは無縁な人物からも刺激を受けたという。今月8日に母校・早大で行われた野球イベントでのこと。子供たちとフリスビーを使って交流を図る中で、ある少年が通常とは逆方向から手首の回転をかけて投げ、きれいに飛ばしている姿に、斎藤は度肝を抜かれた。

「今年はスライダーを投げるときに手首の使い方を変えることで被打率を下げることに成功したんですが、同じ使い方をその子が自然にやっていたのでビックリしました。誰に教わるでもなく、常識にとらわれずにトライすることって、とても重要なことなんだなと感じた瞬間でした!」

 来年1月には早大の先輩でもあるソフトバンクの和田毅投手(38)と自主トレを行う予定だ。10年目の来季に向け、斎藤は「チームが優勝するためのワンピースになれればいい。役割を果たせるようにしたい」と意気込んでいる。