西武・渡辺久信GM(54)のモチベーターぶりに称賛の声が集まっている。

 6日、西武は新外国人、ショーン・ノリン投手(29=前マリナーズ)、コーリー・スパンジェンバーグ内野手(28=前ブルワーズ)との契約合意を発表。渡辺GMは「(ノリンは)真っすぐも強く変化球も多彩。しっかりゲームをつくれるタイプ」「(スパンジェンバーグは)内外野を守れて左打者ながら左翼に本塁打も打てる。メジャーでも2年ぐらいは100試合以上に出場して打率2割5、6分打っていた。日本に来る外国人野手の中ではちょっと上のような気がする」とその期待感を語った。

 また、球団は前阪神・森越祐人内野手(31)の獲得と再契約に向け交渉中だったエルネスト・メヒア内野手(34)の残留も発表し、同GMは「(メヒアの)条件はだいぶ下がりました。ウチとしたら彼の性格とかチームに与える影響とかも鑑みて必要な戦力ということでオファーした」とその経緯を説明した。

 5日までの契約更改交渉では、メヒアこそ約4億減ながら大台(100万ドル=約1億800万円)をキープし、平井、森、外崎、源田、金子侑、増田、中村、山川、栗山と主力の計10人が“億超え”に。リーグ連覇したこともあるが、今オフは空前の暖冬更改と補強面の手際の良さが目立っている。

 この編成トップの姿勢に、一部選手は「そりゃあ、全員が満足とはいかないかもしれないけど、GMがこれだけやってくれたら現場のテンションは上がりますよ」と感謝感激。「以前のように最初から年俸の枠を決めておいて、その枠内に収めたことで自分をアピールするやり方と、あらかじめ枠を広げておいて選手の功労に報いてくれるやり方の違いでしょう。当然、その過程では上(西武ホールディングス)に頭も下げていると思うし、選手にかける温かみのある言葉ひとつ取っても理想的なリーダーだと思う」と、モチベーターとしての渡辺GMがガッチリ現場のハートをつかんでいる。

 その渡辺GMは「補強は打ち止め? いや、まだ(外国人)ピッチャーと交渉中です。いろいろといてまだ絞っていない。日本にいる投手かもしれないし、向こうにいる投手かもしれない」と来季のV3、そして悲願の日本一へ貪欲に次の一手を打とうとしている。