中日が4日までに育成選手として契約合意に達したドミニカ共和国出身のモイゼス・シエラ外野手(31)を巡って思わぬ見込み違いが発覚した。

 メジャーで通算207試合に出場し、打率2割3分5厘、9本塁打。今季はメキシコリーグで114試合に出場し、打率3割5分5厘、18本塁打、84打点、15盗塁の成績を残した。加藤球団代表は「そこまで一発が打てるわけではないけど、そこそこ守れて走れるし、三拍子が揃った選手。そんなに高くないなら育成にしておけば使えるかも分からない」とソロバンをはじく。

 球団では当初、ビシエド、来季の再契約に合意したアルモンテが故障した場合に備え、支配下登録できる7月末まではシエラを育成選手としてスタンバイさせておくつもりだった。ところが、2008年から26歳以上の育成契約初年度の外国人選手は3月末までしか支配下登録は認められない規約があり、シエラはこれに当てはまる。

 それでも加藤代表は「誤算はあるけど、別にまだ支配下枠には若干の余裕があるから、シエラのキャンプやオープン戦の動きを見てから、本当に一軍でいけるかもしれないとなれば、3月中に支配下にすればいいだけのこと」と強がるが「使えなければ、来年1年は育成として置いておくしかない」。

 もう1人の合意に達した新外国人でドミニカ共和国出身のルイス・ゴンザレス投手(27)はパワー型で最速153キロの中継ぎ左腕。メジャー経験はないが、11月下旬の同国のウインターリーグを視察した与田監督の目に留まり、こちらは支配下契約だ。来季は指揮官が発掘したゴンザレスが活躍できるかだけでなく、シエラが3月までに支配下登録をつかみ取るかどうかも注目だ。