もう回り道はしていられない。来季でプロ5年目となるロッテの2015年のドラフト1位・平沢大河内野手(21)がレギュラー奪取に燃えている。

 今オフはポジションがかぶっていた鈴木大地内野手(30)が国内FA権を行使して楽天に移籍した。新たなチームリーダーとして球団の期待も高い平沢は「リーダーの期待は球団からも言われている」と自らが果たすべき役割も認識している。

 手本となるのは先輩の鈴木だ。「大地さんは新人が入るたびに自分から話しかけにいって、下の名前で呼んで、やりやすい環境をつくってくれていた。そこは見習わないといけない」。これまで呼び名は周囲に合わせていたが、佐々木朗希をはじめ新入団選手にはより積極的かつフランクに接していくつもりだという。

 これまでは数字で存在感を示すことができなかった。昨季は打率2割1分3厘、5本塁打、32打点ながら出場112試合でブレークを予感させたが、今季は51試合、打率1割9分8厘。「チャンスはあったのにそれを生かしきれなかった」と反省を口にする。

 成績を残すためにも、まずは試合に出続けることが大事だ。実際、ここ2年はチーム事情から一塁や三塁だけでなく外野にも回ったが「僕はそこで得たものは特にない。ショートにこだわりを持ってやっていきたいですし、出場機会とてんびんにかけてもショート一本という気持ちが強い」と覚悟を口にする。

 いつまでもチャンスをもらえるわけではない。「大地さんはもちろん信頼できる先輩でしたが、入ってきたときからライバル。今度はそれが敵になる。ああなりたいというだけでなく、超えないといけない相手」。平沢の勝負はすでに始まっている。