大リーグ・パドレスを自由契約になっていた牧田和久投手(35)の楽天入りが26日、発表された。

 西武時代に2年間ともにプレーし、牧田のパドレス移籍1年目の2018年には取材者としてアリゾナ州ピオリアキャンプで単独インタビューも行っていた石井一久GMは「これまでの日米での経験から、イーグルス投手陣の底上げを期待してオファーをしました」と獲得の根拠をコメント。一方で、楽天入りの決め手はやはり出来高込みの「2年総額4億円」と見られるカネだったようだ。

 実は牧田と楽天の関係は今春キャンプの前後に一度破綻しかけていた。牧田と同じマネジメント事務所に所属する石井GMが水面下で交渉を進め、一度はパドレスの今季年俸190万ドル(約2億5200万円)を楽天が買い取り、相手球団にトレードマネーを支払う契約が合意していた。

 にもかかわらず、牧田本人の再三にわたる心変わりで最終的にパドレス残留が決定。これに振り回された楽天側が態度を硬化させるという経緯があったからだ。

 その流れを引きずって9月30日に牧田が自由契約になると、ブルペン強化を図る古巣・西武と牧田を先発強化のピースと見た阪神が獲得に向け接触を開始。楽天もどこか釈然としない思いを抱きながら石井―牧田間の“社内調整”は続けていた模様だ。

 日米球界の内情に詳しい関係者によると「最後は条件。楽天の提示額が突出し過ぎていて阪神も西武も太刀打ちできなかったようだ。古巣の西武は戻ってきてもらいたい熱意では負けていなかったようだが、それが条件に反映されていなかったのでは」とのこと。

 楽天の2年総額4億円に対し、阪神の2年総額3億円、西武の2年総額1億6000万円(いずれも推定)というのが今交渉の内訳予想だが、米国で大きな成果を残せなかった牧田に対する適正価格がいくらかは判断の分かれるところ。

 獲得する側のチーム事情、現状の牧田への評価、期待値などを勘案するとバラつきが出てしまうのは当然か。(金額は推定)