阪神がストーブリーグ戦線での巻き返しを期している。DeNAが15日、メジャー通算33発のタイラー・オースティン内野手(28=前ブルワーズ)を年俸1億円プラス出来高払いで獲得したことを発表したが、この助っ人はかねて“虎の恋人”。争奪戦に敗れた形となった谷本球団本部長は「いい選手だと思う。うちのリストからは外します。ライバルになるので対策を練らないといけない」と切り替えを強調した。

 しかし、チーム関係者は「かなり早くからうちが目を付けていた選手。同一リーグに行かれるのは正直つらい。条件面でもそこまで悪くないはずだし、外国人選手から敬遠されているのかも…」と唇をかんだ。

 球団はこのオフ、FA補強を封印。野手に関しては一塁や外野を守れる長距離砲の外国人選手に狙いを定めて獲得に乗り出しているものの、難航している状況だ。数年越しのラブコールが実り、シーズン中に加入したヤンガービス・ソラーテ内野手(32)が球団との意思疎通がうまくいかず「モチベーションが上がらない」と言い放って帰国した事件もあっただけに、海外の選手やエージェントからの評判が落ちているという向きもある。

 その一方、メジャー球団も熱視線を送るピアース・ジョンソン投手(28)との残留交渉に関しては「なるべく早く発表したいと思っている。(感触は)悪くはない」(谷本本部長)と手応えをつかんでいる。ただ、15年ぶりのリーグ制覇に向けては大砲の補強が必須。大物ゲットといきたいところだが、果たして…。