西武手負いの2番手捕手・岡田雅利捕手(30)が短期決戦巧者・ソフトバンクの強さの秘訣を独自分析している。

 現在、西武の新施設・ライオンズトレーニングセンターで8月に受けた「左拇指MP関節尺側側副靱帯(じんたい)修復術」と左ヒザの「関節鏡視下左膝半月板縫合術」からのリハビリに励んでいる岡田。当面の目標とするのが来春のキャンプインを「リハビリではなく120%の状態で迎えること」(岡田)だそうだが、やはり気になるのはチームが1998年以来、パ・リーグを連覇しながらCSファイナルステージではいいところなく4連敗を喫し昨年に続く日本シリーズ進出を阻まれた宿敵の強さについてだった。

 22日の日本シリーズ第3戦まで、そのホークスはCSで西武を4タテに葬った勢いのまま巨人に3連勝。計7連勝で今ポストシーズン無敗のまま3年連続の頂点に立とうとしている。

 そのホークスについて岡田は「長谷川さん、福田さん、高谷さん、(川島)慶三さんもそうだし後から出てくる控えのメンバーがみんな活躍している。層が厚いというのは誰しもが思うことなんですが、そのメンバーが自分の役割を明確に分かっていて、なおかつそれを実行する技術がある。そこが一番すごいところ」とした上でこう続けた。

「自分はどうしても捕手目線で見てしまうんですが、バッテリーの攻めがシーズン中と全く違うし、初戦からチームとしてやろうとしている意図を徹底してくる。例えばウチとのCSでも(初戦で)和田さんが森にあれだけしつこくインコースを攻めてくることはシーズン中にはなかった。(2戦目に)バッテリーが武田―高谷さんに代わっても第1打席からずっとインコースを攻め続けていた。短期決戦では、乗せてはいけないキーマンをいかに眠らせておくかが大事。日本シリーズを見ていても(キーマン潰しは)徹底していて初戦から千賀―甲斐のバッテリーがインコースに強い坂本さんのインコース対策を徹底してやっていた。何かを相手に意識させた段階で(バッテリーの)勝ちですから」

 ソフトバンク相手に2年連続してCS敗退。計1勝8敗と苦渋をなめてきた西武の捕手だからこそ知るホークスの強さは選手層の厚さにプラス、控え選手たちの意識と技術の高さにこそあるようだ。