阪神の優良助っ人に流出危機!? ピアース・ジョンソン投手(28)がメジャースカウトから熱視線を浴びている。

 来日1年目の今季は開幕からセットアッパーを務め、49試合に登板して防御率1・10。抜群の安定感で虎の救援陣になくてはならない存在だ。しかし、そんな好投手をメジャー球団も黙って見過ごすはずがない。今月の東京ドームや神宮球場で行われたビジター試合のバックネット裏にはメジャーのスカウトたちが大集結。完璧な投球を見せる助っ人右腕に目を光らせ「今年の外国人投手の中でナンバーワンに間違いない。あのパワーカーブはメジャーでも十分に通用する。直球も威力十分で、カットボールも使えるのは大きい」(あるスカウト)と高く評価している。

 近年では巨人で先発ローテーションの一角を担ったマイコラスや元ヤクルトのバーネットら、日本球界からの“逆輸入投手”がメジャーに戻って活躍している。さらに今季はNPB所属の日本人投手でメジャー球団の目を引く選手がいないという事情もあり、ジョンソンの能力により注目が集まっているのだ。

 もちろん阪神側は「今年チームがここまで戦えているのはジョンソンのおかげ。中継ぎには欠かせない絶対的な存在。来年もいてもらわないと困る」(チーム関係者)と全力で慰留する構え。ジョンソンも5月に28歳の誕生日を迎えた際に「来年も甲子園で迎えたい? そうありたいね」と答えるなどチームへの愛着を示していた。だが、年齢的にも若く、チャンスがあるなら母国で…と考えても不思議ではない。

 中日戦(甲子園)がグラウンド状態不良で中止となった29日、矢野監督は「終盤に1点でも2点でもリードしてみんなでつないで勝つ。負担が掛かると思うが、成長できるはず」と逆転CSに向けて中継ぎ陣のフル回転を予告した。ジョンソンへの期待はチーム内外で高まっている。