またも他球団から“お迎え”が来てしまうのか――。中日が助っ人守護神R・マルティネス投手(22)の去就に早くも気をもんでいる。

 キューバ代表としてペルーで開催された国際大会に参加していた同投手は14日、本拠地ナゴヤドームでの阪神戦に先だって行われたシート打撃に登板した。約1か月ぶりに生で守護神の投球を見守った与田監督は「まあ良かった。試合になればもうちょっと良くなるでしょう」と満足げ。最速158キロ右腕は16日のヤクルト戦(神宮)から一軍昇格となる予定だ。

 そんななか、球団内部ではR・マルティネスとの来季契約について心配する声が上がっている。同投手とは1年契約で、しかも今季推定年俸は1000万円の超格安とあって「よそにもっていかれる可能性も十分ある」(球団関係者)と戦々恐々なのだ。

 特に中日サイドが神経をとがらせているのはソフトバンクの動向だ。デスパイネ、グラシアル、モイネロ、コラスと4人のキューバ選手を抱え、中日以上にキューバとは太いパイプを持っている。今回の国際大会にもグラシアルに加えて派遣予定のなかったモイネロも送り出し、キューバに大きな貸しを作っている。そういった経緯もあるだけに「マルティネスとの契約はキューバを通さないといけない。そこにソフトバンクが絡んでくるとややこしくなる」(球団関係者)とビビりまくっているのだ。

 一昨年は本塁打王のゲレーロが巨人、昨年はチーム最多勝のガルシアがオフに阪神へ移籍した。活躍した外国人選手を資金力のある球団に持っていかれる悲哀を、R・マルティネスでも味わうことになるのだろうか。