中日が9日の楽天戦(ナゴヤドーム)に2―5で敗れ、借金は「10」となった。与田剛監督(53)は「(借金が)9とか10とかよりも、毎日勝つためにやることに変わりはない」としたが、最下位のヤクルトとは0・5ゲーム差と、いよいよ後がなくなってきた。

 そんなどん底のチーム状況に関係者の間から出てきたのが「根尾待望論」だ。根尾は二軍で打率1割4分9厘と苦戦中だが、OBの一人は「二軍の成績なんて関係ない。日本ハムの栗山監督は吉田輝星が二軍戦で打たれても(4日の巨人戦で3回6失点KO)一軍昇格を決めた。根尾はこれからのチームを背負っていく選手だよ。京田や他の選手の刺激にもなるし、早く一軍を経験させてやればいい」と早期昇格を猛プッシュする。吉田輝は12日の広島戦(札幌ドーム)での一軍先発デビューが決定。登板前から大きな話題を呼んでいるだけに、中日も“根尾フィーバー”でチームを覆っている重苦しいムードを一掃した方がいいということなのだろう。

 実はナゴヤ球場の隣にある「ラーメン専科・竜」(名古屋市中川区)が昨年12月から根尾の名前を冠した「NEO竜ラーメン」(税込み1000円)を発売すると、自主トレ中に京田はこのラーメンを食べに来ていた。これも同じポジションを争う大物ルーキーに対するライバル心からと周囲ではもっぱら。楽天3連戦でノーヒットに終わるなどこのところ調子がいまひとつの京田だけに、根尾が一軍に昇格するとなれば大きな刺激になるのは間違いない。

「今の中日は若い選手をどんどん使っていった方がいい」(前出のOB)。果たして与田監督の考えはいかに――。