西武・山川穂高内野手(27)が12日の日本ハム戦(札幌ドーム)で14号本塁打を放った。3回一死二塁から、バーベイトの甘く入った直球を左翼席上段へ。これが区切りの通算100号となり、西武時代の秋山幸二(351試合)を抜く日本人最速、321試合目での到達となった。そんな山川でも“勝てない男”がいるという。

 偉大な先輩たちを上回る記録にも、山川は「僕は二軍でやっている時間が長かったので、最速と言われてもピンとこない」。7回には左越えへ15号ソロを放ち、今季2度目の1試合2本塁打。本塁打王争いで並んでいたロッテのレアードに2本差をつけて単独トップに立った。

 そんな最速本塁打男・山川だが、プロとして唯一、負けを認めざるを得ない相手がいるという。それが先日、打者としてメジャー2年目のシーズンをスタートしたエンゼルス・大谷翔平投手(24)だ。

 山川は「僕が今まで見た中でダントツは大谷君。彼がメジャーでもナンバーワンになってくれたら日本人としてうれしい」と“大谷マニア”であることを自任。「去年、1年目で22本打って、今年は打者に専念するわけですから、それこそ60本ぐらい打ってほしい。僕は打てるんじゃないの、と普通に思っています」と打者・大谷の無限の可能性を信じてやまない。

 2017年まで日本ハムに在籍していた大谷の超ド級のフリー打撃を対戦するたびに目撃し、そのスケールのデカさに打ちのめされてきた。

 山川は「(176センチの)僕と(193センチの)大谷君って身長が17センチ違うんですよ。17センチ! バットで1センチでも違ったら飛距離って相当変わってくるんですよ。リーチがもうそれだけ違うんです。で、単純に向こうは17センチ分の高さと遠心力が使えるわけじゃないですか。それにさらにバットを持っている。それであれだけうまく体を使われたら勝てないです」と降参せざるを得ない理由を雄弁に説明。

 そのサイズの体を見事に使いこなす大谷を「それが一番すごいこと。相当頭もいいと思う。もちろん勉強もしていると思いますし、その上で自分の体のことやクセも理解しているからあんなことになるんだと思う」と分析している。

“日本最強”を示す打者の称号をひとつ手にしながら、どこまでも謙虚…。それでも山川のすごさが色あせることはない。