中日・与田剛監督(53)が早くもドラゴンズファンのハートをガッチリとつかんでいる。ベンチでの、きめ細かな部下へのケアがファンの間で話題となっているのだ。

 与田監督の株を一気に上げたのが19日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)のベンチでのワンシーン。7回二死満塁から高橋が押し出し四球を選んで4―2とリードを広げた直後、与田監督はベンチ中央にいた遠藤のそばに行くと肩をモミモミしながらひと言声を掛けた。

 このベンチの様子がテレビ中継で映し出されると、ネット上では「理想の上司だ」「これは選手もヤル気になるわ」「今年の中日が強い理由がわかった」と与田監督を称賛する声であふれた。

 というのも遠藤は直前の一死満塁の場面で、空振り三振に終わったから。せっかくのチャンスを生かすことができず、落ち込んでいるであろう遠藤のそばにさりげなく寄って声を掛ける。指揮官として完璧すぎるこの振る舞いは動画でネット上に拡散され、さらに多くのドラファンの支持を集めるようになった。

 遠藤によれば、このとき与田監督からは「もう切り替えろよ」と言われたという。「与田監督は試合の流れでいろいろ声を掛けてくれることが多い。チームがいい雰囲気でうまく回るように考えてやっているのだと思います。選手としてもやりやすいです」(遠藤)

 21日のヤクルト戦では併殺成立のプレーを今岡二塁塁審がよそ見で見落としていたように見えたため(NPBは22日、今岡二塁塁審が当該プレーへの確認が遅れたことを認めた)審判団に鬼の形相で詰め寄った与田監督。今年の中日は指揮官の一挙手一投足にも注目だ。