ソフトバンクの内川聖一内野手(36)が、もがき苦しむ胸中を激白した。過去2年、規定打席未到達のベテランは「やれるだけのことをやってきた」とオフから猛烈な追い込みをかけて、オープン戦では打率3割8分5厘の好成績をマーク。「自分に期待している」と手応えをつかんで開幕を迎えたが、ここまで全15試合に先発出場して打率2割1分3厘、1本塁打、3打点(15日時点)と低迷している。

 アベレージを残して存在価値を示してきたバットマンは現状を「自分でも笑ってしまう成績」と自嘲。離脱者が相次ぐチーム状況を念頭に「グラシアル、柳田、(中村)晃が帰ってきたら、外れるのは誰かといったら僕だと思っている。外されても仕方のない数字」と悲壮な覚悟を漂わせている。

 何が希代のバットマンを狂わせているのか。「成績が下降していく原因として『目の衰え』というのをよく聞くけど、僕の中でボールの見え方や感覚はこれまでと変わらないんだ。ただ、体がイメージ通りに追いついてこないという感覚がある。自分のイメージしているポイントにバットを入れられていない」と悩める胸中を明かす。

 まさに暗中模索の状態。「3番を打たせてもらっている状況で、自分から『代えてください』とは言えない。ここまでやれることをやってきたからこそ、今は『これでダメなら終わり』と決めてやっている」と、強い覚悟をにじませた。

 結果がすべての世界で19年目のシーズンを戦うベテランは「何度も引退寸前までいったことがある。でも、壁を越えて階段を上がってきた」と振り返る。右打者最高打率3割7分8厘をマークした2008年も、ユニホームを脱ぐ覚悟を決めて臨んだシーズンだった。果たして、今回の“もがき”は内川に何を残すのか。