阪神は12日の中日戦(甲子園)に4—9で敗れ3連敗。借金は今季最多の3にまで膨らんだ。先発のメッセンジャーは初回、遠藤に右翼線への二塁打を許すと自身の暴投に梅野の悪送球も重なり早々と先制点を献上。4回と6回にはビシエドに2打席連続の4号&5号2ランを許し、リードを広げられた。

 その後も追加点を許し、6回6失点で降板したメッセンジャーは失意の今季初黒星。「(先制点は)あんな感じで与えるべきじゃなかった。ビシエドに打たれた2本の本塁打は、いずれもいいコースに投げられた。今日は彼が上手だった」とうなだれた。

 今季、左投手を苦手としている阪神打線はこの日も中日の3年目左腕・笠原に5回まで無安打無得点に封じ込まれるなど沈黙。相変わらず解消されない得点力不足に虎党のフラストレーションも募る一方だ。凡退した選手に向け「帰れ!」の野次が飛ぶなど球場には殺伐とした空気が流れる一幕もあった。

 試合終盤に意地を見せ、一旦2点差にまで迫った阪神だが、9回に登板した桑原が打ち込まれ3点を失い万事休す。気温11度まで冷え込んだ甲子園に、なんとも寒々しく切ない風が吹いた。