第101回全国高校野球選手権大会が6日、甲子園で開幕。「九州対決」となった大会初日第2試合では、神村学園(鹿児島)が佐賀北(佐賀)を7―2で下し、初戦突破を果たした。

 光ったのはエース・田中瞬太朗(2年)の力投だ。131球、5安打2四球2失点の完投勝利で「(完投は)走り込みの成果。でも、まだまだです」と謙虚に振り返った。それでも小田監督は「湿気が多い中、力んだと思うが、勝ちに導いてくれた」と満足げだ。

 そんなエースの“心の支え”となっているのが、今年5月の大型連休後に発生した「マクドナルド事件」だ。

 チームが関西遠征から帰路に就く際のことだった。空港内で小田監督から夕食代として各部員が1人1000円を手渡され「好きなものを食べてこい」と言われ、その粋な計らいに田中瞬ら2年生メンバー4人も大喜び。その後の顚末を部員の一人は、こう明かす。

「遠征の帰りの日は、空港や駅で部費から夕食代を手渡され、外食ができるのでメンバーはいつも楽しみにしています。ただ脂っこいファストフードは部でNG。ところが、この4人は我慢できなくなって、こっそりとマクドナルドに入ってしまったんです」

 田中瞬ら2年生4人は「やっぱりウマい!」と久々のハンバーガーに舌鼓を打っていたが、至福の時間は思わぬ形で暗転。「後で監督に領収書を渡さなければいけないのですが、その際に4人はマクドナルドのレシートを出してしまった。それでバレることを考えていなかったのでしょう。監督からこっぴどく怒られた4人は罰則として練習参加を3日間禁止され、草むしりを命じられました」(前出の部員)

 しかし今となっては、これもいい思い出。田中瞬ら2年生4人も含め、全部員が「この甲子園で結果を出し、あの時の反省につなげよう。そして卒業したらマクドナルドのハンバーガーを腹いっぱい食べよう」と誓い合っているという。一致団結した神村学園が聖地で旋風を巻き起こしそうだ。