西武は20日、巨人にFA移籍した野上亮磨投手(30)の人的補償として獲得した高木勇人投手(28)の入団会見を行った。高木は「西武はすごく打撃がよくて細かい野球もうまい。とにかく必要とされるところで全力でやっていきたい」と抱負を語ったが、西武にとってはしてやったりの“補強”だ。

 鈴木葉留彦球団本部長(66)は高木のプロテクト漏れに「予想外」と本音を漏らし「年数も巨人に入って3年目が終わったばかり。(リストを)見た瞬間にだいたい(決めていた)。もちろん辻監督にも話をして『これだよね』というか、即決ですよ」と今回の経緯を語った。

 同本部長は起用法について「球団としては一枚足りない先発でと思っていますけど、現場がどう判断するか」と最終的な判断は現場に預ける方針。高木は今季1勝2敗に終わったが、同本部長は「セ・リーグとパ・リーグの野球の違いもあるだろうけど今のウチの打線なら3点、4点は返す力があるから」と、西武では打線の援護で勝ち星を量産できるという。

 巨人の今季のチーム打率は2割4分9厘、113本塁打で1試合平均の得点が3・75。それが同2割6分4厘、153本塁打、1試合平均4・83とパ・リーグ屈指の得点力を誇る西武に変わる。この超強力打線をバックに投げる高木はまず心理面でアドバンテージができるはずだ。

「投球スタイルは淡々として動じないところがあるので、やっぱり先発向きかな」とポスト・野上の期待をかける同本部長にとっては、エビでタイを釣ったような手応えのある“FA補強”だったようだ。