【今が旬〜このレーサーに乗れ〜:山崎郡(27=大阪・112期)】第2回はまさにもっか伸び盛り、“売り出し中のフレッシュマン”大阪支部の新進気鋭・山崎郡(27=112期)の登場だ! 今後のGI戦線で好配当をもたらしてくれそうな逸材だけに、この名は覚えておきたい。

 2017年前期、勝率6・44で念願のA1昇格。初のフル参戦となった1月の下関62周年記念ではGⅠ初勝利。それが自身通算100勝目となる節目の勝利でもあった。「よく覚えてます。(GⅠ)初勝利が100勝目でめちゃめちゃうれしかった」と節目の勝利を強豪集う記念レースで決めたことからも何かを持った若者だと思わせた。

 その約ひと月後の2月多摩川ルーキーS第10戦では予選を全2連対で突破。準優→優勝戦も制し待望の初優勝を飾り、一気に上昇気流に乗った。デビュー3年10か月目での初Vに師匠の丸岡正典は「郡ちゃんならもっと早くに優勝しなくちゃね。それだけの力はあるんだから」と話したほど、その実力を認めている。

 果たして、17年後期も勝率6・40とし2期連続でA1級キープ、実力の片鱗をうかがわせたが、本人は「(2期連続A1は)いいリズムに乗ってA1になっているだけで、たまたまです。A1になってからは、記念戦などを走らせてもらい、全然、自分の実力が足りてないのを気づかせてもらいました」と慢心はしていない。

 さらには「自分に足りてないところをレベルアップするために(上位者との対戦は)いろいろチャレンジしていくにはいい場所であり、この経験が今後の自分のレーサーとしての基礎になると思います。仮にそれでA1から落ちることがあっても仕方ないとも思ってます」とまだ始まったばかりのレーサー人生のプロローグと言わんばかりにその先を見据えている。

 勝負の世界では欠かすことのできないエッセンスとしてライバルの存在があるが「いますね。同期の山田祐也や馬場剛です。常に意識はしてますし、負けない気持ちを持って日々レースをしてますよ」と切磋琢磨し、それが刺激になっている。

 まだ平成生まれのGⅠ覇者は現れていないが、日々のレーサーとしての意識の高さから山崎郡が最も近い位置にいるのではなかろうか。

☆やまざき・ぐん=1989年12月8日生まれ。大阪支部の112期生。2013年5月、住之江一般戦でデビュー。14年5月、尼崎一般戦で初勝利。16年後期に勝率5・62で初A2に。17年前期は同6・44、後期も同6・40で2期連続A1。通算成績8優出1V。身長168センチ、血液型=A。