目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【渡辺優美(23=福岡・101期)】今年もっとも成長した選手の一人と言っていいだろう。1月の大村W優勝戦で念願の初優勝を果たすと、2月のとこなめヴィーナスシリーズでも優勝。一時は賞金ランクトップに立つなど好調が続き、2016年後期は勝率6・29で初めてA1級に昇格した。

 飛躍のきっかけは昨年12月の福岡第4回プレミアムGⅠクイーンズクライマックス(QC)だ。

自身は賞金ランク45位だったためQCシリーズ戦に出場していたが「一緒の福岡で走っていて『何で自分は出ていないんだろう』って思ったんです。クイーンズが始まるまではそういう感じはなかったんですけど、実際に12人を見てすごく悔しくなった。それまでは『いつか出たいなあ』ぐらいの感覚だったんですけど、『次は絶対に出る』に変わりましたね。今年は12人に入ることを目標にずっとやっています」と、年末の総決算レースへの出場が明確な目標に変わり、年明けからの快進撃につながった。

 クイーンズクライマックスとともに強く意識しているレースが、同じプレミアムGⅠのレディースチャンピオンとヤングダービーだという。

「いずれは寺田千恵さんや平山智加さん、平高奈菜さん、遠藤エミさんみたいにGⅠやSGに出てトップの男子選手と戦いたい。そのためにはレディースチャンピオンやヤングダービーでも戦えないと無理ですよね。だから普通に予選を突破して優勝を争わないといけないと思っています」

 ボート界に君臨する“女傑”に加わるためにも、獲得したいタイトルだ。

 しかし「史上最年少優勝します」と公言し、自らにプレッシャーをかけて臨んだ8月津のレディースCはタイム差で19位となり無念の予選落ち。「エンジンを合わせられなかったですし、実力不足を痛感しました」と悔しい思いをした。その一方で「いろいろと発見もありました」と話すように、敗戦をバネにして成績は再び上昇ムードに転じた。

 その後、出場した浜名湖、津の男女混合戦で連続優出を果たすと、9月の地元・福岡オールレディースでも優出2着。賞金ランクはQC出場圏内の8位に上昇した。

 レディースCの悔しさを胸に臨むヤングダービーは、QC出場をより近づけるための賞金を上乗せするチャンスでもある。

 男子選手からも定評のある強烈なターンで大暴れしてくれそうだ。

☆わたなべ・ゆみ=1992年9月19日生まれ。福岡県出身。福岡支部の105期。2009年11月芦屋でデビュー。初優勝は16年大村タイトル戦。15年まるがめレディースチャンピオンでGⅠ初出場。SG出場経験なし。通算2V。同期に佐藤翼、中嶋健一郎、磯部誠らがいる。身長161センチ。血液型=B。