目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【宮本夏樹(28=長崎・102期)】 今年も残り2か月を切り、新世代の台頭が著しいボート界。来年度に向けて各選手はしのぎを削っている。今回はイケメントップレーサートップ100で42位タイに入った実績がある宮本夏樹にスポットを当てる。

 下を向いていられない。ここからの逆襲に燃えている。16年前期で3期続いたA2から陥落、B級に逆戻りしてしまった。ただ、本人に悲観するそぶりはない。状況も冷静に分析できている。「自分的には期の後半から尻上がりに上げていくタイプ。ただ、これから調子を上げていく時に3年ぶりのFをしてしまった。あとはズルズルといってしまって…。でもちょっとずついい兆しは見えてきました」

 もともとは自在にさばいていくタイプ。言い換えればそつなくまとまっている。この状況を打破するためにあることに取り組んだ。「乗艇スタイルを変えたんですよ。自分は差しがメーンだった。新鋭の時からスピードはないと僕自身が思っていた。それで消極的なレースが多かった。もっと握って積極的にレースをつくりたい。まだ、モノにしてないですけど、選択肢が広がることはプラスになる」

 こう考え始めたのは同期で同支部の2人の存在が大きいという。「自分の登録番号が桑原悠と滝川真由子に挟まれていて、いい意味で刺激になっています。この2人には負けたくないですね」

 笑顔の裏に闘志が燃えている。そんな宮本もデビュー当時から欠かさず行っていることがある。「自分の走ったレースは録画してもらい毎回チェックしている。これは今もやってますね。いいレースした時とショボいレースを見比べて勝つための材料にしています」

 まずは結果を出すことが先決だ。

 それは来年のヤングダービー出場にもつながってくる。

「1回落ちたら上がるしかない。今までやれてたことをやれないことはない。技量を上げること、伸びシロはあると思っている。まずはA級復帰へ勝率を稼ぎたい。まだウエスタンヤングの権利も持ってないのでやるのみです」

 有言実行を遂げて、もう一歩新たなステージを目指している。

☆みやもと・なつき=1987年7月21日生まれ。長崎支部。2008年5月大村一般戦でデビュー。その節の3走目に初白星で水神祭を挙げる。09年8月大村一般戦で初優出(4着)。通算9優出で優勝はなし。身長174センチ。同期(102期)は桑原悠、滝川真由子、山田康二、樋口由加里、遠藤エミ、前田将太ら。血液型=A。