夫婦ボートレーサー泣き笑い 力良&裕子の交換日記

【中西裕子の巻】現在、女子ボート界の祭典GⅠ「レディースチャンピオン」がまるがめで開催中! 猛暑に負けず“真夏の女王”を目指した熱戦が日々繰り広げられています。そんな女子最高峰レースへの出場を夢見る若手はたくさんいるでしょう。そこで、今回のコラムでは将来の女子ボート界を担うニューフェースを紹介します。埼玉支部の新人・滝川千依ちゃん(19)です!

 7月の住之江一般戦、彼女にとってデビュー2節目となるシリーズに同支部の先輩でもある私は一緒に出場しました。とにかく明るくて元気があって感じのいい子でした。どの世界も一緒ですが、新人選手は本業(レース)以外の雑用がとても大変なのです。だけど彼女は2節目と思えないくらいよく働き、気が利き、覚えが早い! 仕事ぶりが出来過ぎで他の女子選手からも好評価。まだ2節目ってことに周囲の女子選手はみんなビックリしていました。

 こんな初々しいエピソードもありました。宿舎のお風呂に女子全員が入り終わったら、監督さんに「終わりました」と報告をするのが一番下の選手の役目。そのときは千依ちゃんが「報告してきます」と言って部屋を出て行きましたが、いつまでたっても戻って来ない。10分、20分と時間がたち、心配は募ります。ようやく30分後に戻って来たので「どうしたの?」と聞くと、なんと「監督さんがお風呂に入っていたので、出て来るのをずっと待ってました」って! ビックリして思わず笑ってしまいました。

 どうしてその発想?って思いましたが、新人って常に必死なのでナゾなことをやってしまうんですよね。こんなとってもカワイイ後輩の“ナゾの行動”に私は心から癒やされました。

 そういえば、先月12日に行われた桐生順平選手の祝勝会(SG初優勝)へ、私は子供2人を連れて出席しました。その時、千依ちゃんが子供たちの相手をしてくれ、とても助かりました。楽しそうに遊んでいる姿を見て、彼女がまだ10代だからか? それとも私が年を取ったからか? なんだか自分の子供のようにかわいく感じてしまいました。

 登録番号が私とちょうど600番違いだったり、ひと回り違う亥(いのしし)年だったり、家がすぐ近所だったり、カラオケなどの好みも似ていたり…と、不思議な縁を感じる子です。

 仕事の覚えが早いので、レースもコツをつかんだらどんどん成長しそうな気がします。5年後、10年後にどんな存在になっているのか? 自分も刺激になるし、彼女の将来が楽しみでなりません。皆さん、ぜひ埼玉支部の「滝川千依」の名前を覚えてくださいね!

☆なかにし・ゆうこ 1983年12月30日生まれ。埼玉支部の94期生。2004年5月の戸田でデビュー。同年8月の平和島で初1着。夫・黄金井力良とは10年10月に結婚。11年2月に長女、14年3月に長男を出産。15年1月の産休明け復帰シリーズで通算100勝を挙げた。優勝は未経験。身長161センチ。血液型=O。

<次回は夫・黄金井力良が執筆=8月20日掲載>